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2023/5/2

世界の上質が揃う、ラグジュアリーなショッピングサイト「ミレポルテ」。

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そのなかでミレポルテが最もおすすめしているのが「アート作品」です。

日本のアートギャラリーの協力を得た選りすぐりの作品群を、お得なギャラリーの価格でご提供しております。

ギャラリーからの直接のご提供なので作品の信頼性も高く、価格は適正です。

世界中から集められた現代アーティストによる作品があなたのものになる幸せ、体験してみたくありませんか?

“本物”のアートを日常の生活に取り入れることで、あなたの暮らしをランクアップできることを私たちは願っています。

 

現代アートは敷居が高いように感じる人もいるかもしれませんが、実はとても身近なもの。

MILLPORTEでは、アートを身近に感じていただくため、現代アートのアーティスト・インタビューをご紹介しています。

今回ご紹介するギャラリストは李沙耶(リ・サヤ)さん。

 

李沙耶(リ・サヤ)さんは、2019年10月に現代美術を専門に扱うギャラリー「LEESAYA」を目黒区でオープン。

独自の表現を追求する若手現代アーティスト、同世代のアーティストに焦点を当て、新しい試みに挑戦し続けています。

取り扱うアーティストは、田中秀介、村松佑樹、金光男、二藤健人、高橋銑、宮田雪乃、安藤晶子、須賀悠介など。

更に2024年3月には、カフェ兼イベントスペース「Backyard(バックヤード)」をオープン。

今もっとも注目されるギャラリーのギャラリストとして、ミレポルテでもお話を伺う機会を得ることが出来ました。

ミレポルテmeetsアート
ギャラリストインタビュー Vol.7
Lee Saya

Q:「ギャラリー」という仕事は、どのような使命と役割を持っているとお考えですか?

A:プライマリーの作品を扱うコンテンポラリーギャラリーの中でも作家さんのマネージメントをする人の層が今の日本にはそんなに多くはないと思います。
まずは作家が作品を作る環境を整えたり、作品を作った先にお客様とお繋ぎするということが第一。その上で、私も作家もみんないずれは死ぬので、生きている間に作品を未来に残せる準備をするというか、それは作品の保存環境の整備だったりとか、記録だったり、そういう実務的な事は沢山あるんです。
作品は売って終わりじゃなくて、売った後も含めて未来に残してゆくというのがギャラリーの一つの大きな使命かなと思っています。

Q:作家をコレクターに紹介してゆく、美術館に入れるように努力するといったことでしょうか。

A:そうですね、美術史として残してゆくということですかね。                            

Q:なるほど。では、ギャラリストとして、常にどのような作家を扱いたいと思っていますか?

A:今私は36歳なのですが、同世代というか、同世代感を持っていたり、同じ時代の問題意識を共有できる作家と一緒に仕事をしていきたいと思っています。
そこがギャラリーの一つのコンセプトにはなっているのですが、もう一つは、やはり作り続けてくれる人、作品を作らないと生きていけないというような一定数の人がいて、そういう方と一緒に仕事をしていきたいなと思っています

Q:LEESAYAギャラリーの所属作家では、『TERRADA ART AWARD 2023』を獲ったキム(金光男)さんの作品など、大変インパクトの強い作品だったと思います。
高橋銑さんは『CAFAA賞2023』でグランプリを獲得されていたりと、コンセプチュアルで若い作家さんを多く扱っていらっしゃいます。今後もすごく楽しみですね。

A:ありがとうございます!

Installation view at TERRADA ART AWARD 2023 Finalist Exhibition
©︎Mitsuo Kim
Photo by Yusuke Suzuki (USKfoto)

Q:例えば、美大の卒展を見にゆくとか、そういうチャンスを作るような事はやっていらっしゃいますか?
 

A:すみません、卒展は見に行ったとしても、そういう目では見ていないことがほとんどです。というのは、何て言うのでしょう、ちょっと私には情報が多すぎるというか。
例えば、田中秀介という作家との出会いは、作家さんの言う「いい作家」を私は信頼しているので、会話の中で「田中君、面白いよ」って言ってくれた人が5人くらいいて。それで連絡を取ってみたというのはありますね。
作家さんからのお薦めだったりっていうのはすごく大事です。彼らは本当にシビアに同業者を見ているので。

Q:ところで、取り扱いたいと思う作家はどのようにして見つけるのですか。

A:よく聞かれるんですけど、本当にご縁でしかなくて…もちろん私の好き嫌いなどは無意識的には反映されていると思うんですけど、本当にご縁で結びつけられたという表現が適切かなと思います。

Q:では、そうやって出会った所属作家をサポートする際に心がけていらっしゃることはありますか?

A:先ほどの話にも繋がるんですが、作家さんってご自分の作品をある意味、自分の体の一部と思っているところがあって。
だから作家さんに作品を持っていてもらうと、長いスパンで見た時に改変しちゃったりとか。過去の作品に対する、恥ずかしさとか、後悔とか、そういったものを消し去りたい!という衝動に駆られたりするらしく(笑)。だからなるべく、作家さんから作品を避難させるというか…(笑)。もちろん倉庫など物理的な限界はあるので全てを預かるというのは難しいんですけど。作家さんが亡くなった後のことまで考えてアーカイブしていくとか、テキストに残すとか、そういった事はちょっと意識していますね。

作家名:田中秀介 
作品名:いつの間にやら最善
制作年:2024
素材:キャンバスに油彩
サイズ:H80×W100cm

Q:なるほど。
ここからは「アートを購入する」ことについてのお話ですが、購入する上で最も大切にすべきことは何だと思われますか?

A:まずは、好きなもの、ずっと好きでいられるものを購入するというのが一番だと思います。スポーツにしてもグルメにしても、何でもそうだと思うんですけど、そこにあったら自分がワクワク、ドキドキしてテンションが上がるというのが最優先だと思います。

Q:非常に共感できます。
MILLPORTEでもギャラリーから直接プライマリーセールの作品を提供していますが、プライマリーでギャラリーから作品を買うことの意味とはなんでしょうか。

A:例えば野菜だったら、農家から直接買うようなものなので、新鮮な良いものを一番安く購入できるのがプライマリーギャラリーです。そこが間違いなく良いところです。もちろんおいしいお野菜は競争率が高いのと一緒で、人気が集中してしまう部分はあるんですけど、ギャラリーとコミュニケーションを取っていただければ、お客様がどれくらい作家さんの作品に熱があるのかというところをギャラリストはすごく感じ取るので、例えば個展ではご案内出来なかったけれどずっとこのサイズ感のものを欲しいとおっしゃっていたなと、覚えておいて機会があればご案内するように努めます。
いつでも安定して何でも揃うスーパーマーケットみたいなことではないんですけど、一緒に欲しいものを考えて探し出す、そして、それを手に入れるという楽しみがプライマリーギャラリーにはあると思います。

Q:プライマリーでコレクションしたアートの楽しみ方についても教えてください。

A:そうですね、美術だけでなくお花なども全てそうですが、お部屋に飾って空間を何かに見立てたり、自分のお家の中にコレクションでインスタレーションを作り上げることができるのは、やはりコレクションされた方だけの特権だと思います。

貴重なお話を沢山お聞かせくださり、ありがとうございました。

​​タグ:

Installation view at the Hiroshima City Museum of Contemporary Art Special Reopening Exhibition Before/After
©︎Sen Takahashi

Q:やはりプライマリーで買うとその作家のその後の活躍も見られますしね。

A:そうですね、同じ船に乗っている応援団のような。もちろん応援するだけじゃなくて応援されたりとか、自分自身も作品を買うことで応援されているような気持ちにもなれます。作家の作品価格がちょっと上がったら、自分も「よし、仕事頑張ろう!」と一緒に成長のステップを踏んでいけるので私は同世代の作家の作品をなるべく購入して「あ、美術館で展示したんだ、負けないぞこっちも!」みたいな気持ちになったりしてますね。

Q:少し大きなテーマになりますが、アートとは人生にとってどんな意味を持つとお考えですか?

A:アートでお腹はいっぱいにはなりませんし、アートがあるからって住むところや着るものが満たされるというわけでもないので、正直生きていく上で必ず必要とは思わないです。
ただ、アートとはいろんな物事の翻訳機能だと思っています。私にとっては例えば友達から言われた一言であったり、SDGsのことだったり、戦争のことだったり…を本やニュースなど言語で理解しても、なんかこのモヤモヤは晴れないなぁということがよくあります。そんな時に、作品を通して考えると自分が感じていたモヤモヤが理解できる瞬間があって。
そういうところがアートの面白さであり、私はそこにすごく救われてきた人間だと思っています。

Q:これからのギャラリーの計画、または展望などあればお聞かせください。

A:やっとコロナも落ち着きまして、弊廊がオープンしたのが2019年の10月だったので、今年で5年目になるんですけど、ほぼ3年くらいは地下に潜っていたような状態だったので。海外のフェアや美術館の動きも活発になってきたのでもちろん頑張りたいですし、美術史的な構築も作家と一緒に強化していきたいと思っています。
あともう一つは、3月に新しいスペースをオープンしました。そこはギャラリーというよりは、どちらかというとイベントスペースとして運用していこうと思っています。商談用のVIP ROOMも備えており、勉強会やワークショップなどギャラリー空間ではできないことを色々やっていきながら、普段は地域の人たちにもアクセスしてもらえるようにカフェスタンドとして機能させます。

Q:素敵ですね。では最後に、日本のアートマーケットについての所感をお聞かせください。

A:そうですね、スペース運営ももちろんですが、マネージメントもコレクションも、アートには時間が必要なので何事も長く継続していくことを重視したいと思っています。

【Backyard】

2024年3月にLEESAYAギャラリーのほど近くにオープンしたセカンドスペース。展覧会にちなんだトークショー等、ギャラリーの関連イベントや、現代アーティストはもちろん、様々な分野で活動している研究者や創造者によって、不定期で勉強会やトークショー、飲食イベントなどを行う。ギャラリーの来場者はもちろん、アートをより身近に感じてもらうため、日中はカフェとして営業しており、店内には現代美術作品が展示・販売されている。


〒153-0064 東京都目黒区下目黒3-18-8
定休日:月・火曜

営業時間:水 – 金曜 9:00~15:00

     金・日曜・祝日 10:00~17:00

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