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アートは敷居が高いように感じる人もいるかもしれませんが、実は身近なものなのです。
今回はよりアートを身近に感じていただくため、現代アートのギャラリーオーナーにインタビューを行いました。
今回、独占インタビューを受けていただいたのは、TOMIOKOYAMA GALLERYの小山登美夫さんです。
ミレポルテmeetsアート
ギャラリストインタビュー Vol.4
小山登美夫
現在、六本木のcomplex665と天王洲アイルのTERRADA ART COMPLEXにギャラリーを展開する小山登美夫氏はギャラリー業界での経験も実に豊富で今までに多くの素晴らしい作家を世に送り出してきました。
現代アートを取り扱っていくとはどういうことか、アートをコレクションする楽しみとはなど多岐にわたるお話を伺います。
小山登美夫ギャラリーの小山登美夫と申します。
1996年から26年間小山登美夫ギャラリーをやっています。よろしくお願いします。
2023/3/10
Q. 今日はよろしくお願いします。まずなんですけども、ギャラリーという仕事はどういう使命と役割を持っているとお考えでしょうか。
A. ギャラリーという仕事自体は色々なギャラリーは絵を売るということが基本なんですけど、僕らの場合はプライマリーギャラリーっていって、アーティストから初めて出てきた作品を展示をして販売するということなんでそのアーティストから出てくる作品をどうやって見せるかとか、そのアーティストをどうやって社会に伝えていくかとか、そういったことをやっぱり一番初めにやる。その一番初めに出てきた作品っていうのがやっぱりアーティストにとってすごく大事なものじゃないですか。1回1回新しい作品でそれを自分がどうやって変わっていくのかっていうのを見せられるときなので、それをちゃんとこうある意味では正確に社会につなげていくっていうのが一番大きな役割だって思っていますね。
Q. ギャラリストとして 小山さんはどういう作家を常に扱いたいっていう風に思いますか。
A. 例えば僕的にはね、美術とは何かとか、絵とはこういうものだとかっていう発想は全くなくて、アーティストが日々制作していくわけじゃないですか。その感じるのか考えるのか、いろんなパターンがあるかもしれないんですけども、そういった意味ではやっぱりそれをちゃんと自分の感覚とか思考みたいなものを研ぎ澄ませて、だけどそれだけじゃダメでやっぱりその技術があって技術でもって作品に仕上げてくっていうことがうまくこうバランスよくできてる人っていうのは、やっぱり結構面白いかなと思いますよね。
そこには全然その僕がこういった美術を扱いたいってことはなくて、選ぶ段階でそういうのが出てきちゃうと思うんですけど、基本的にはその現象として作家の出てきた作品なのでそれが一番多くを語ると思うんでそれがそういったことができる人がやっぱいいですよね。
Q. 例えばそのプライマリーで作品を販売するとおっしゃいましたけど、まだ 市場に出てない作家の、例えば値段を決めるとかそれも大きな役割だと思うんですけども、それはどういうふうに。
A. それはね、いつも難しいんですけどね。やっぱり 値段を決めるっていうのは。それでやっぱし 一番初めに展覧会をする作家がいるとするじゃないですか。誰も知らない、友達と親しか知らないっていうアーティストの場合はやっぱりそのまあその年代とかキャリアとかそういうのを考えて同じ世代がいるじゃないですか。そういった人はより安くする。売れるっていうことが一番初めは大事で、初めに展覧会って売れた時にその買ってくれた人たちはそのアーティストのファンじゃないですか。一番守ってくれる人たちだと思うので、そういった人を増やしてくっていうのは結構大事かなと思ってるので、そんなには高くしないですね。売れたら高くしてる。
Q. 例えばそのセカンダリマーケットで作家の作品が急にバンって高くなるじゃないですか。
A. 大変ですよね。
Q.それはギャラリーとして、大変ですよね。
A. そうですね、オークションとかで高くなるじゃないですか。そうするとそのアーティストの先の100万円で売ってたものが、例えば300万とか500万とかにオークションになっちゃったりすると次に発表するときに100万円で発表するといわゆる買う人たちが、好きで買うっていう段階からこの作品を買うと高くなるかもしれないというので買う人は、投資的なことを考える人たちもいるし、ずっと好きな人もいる。そのパーセンテージがちょっと変わってきちゃうんですよね。だからそこら辺は、その要素っていうのも多分すごく大事だと思ったりするのでそこら辺をうまくバランスよくやるのが一番難しいところなんですけど、それが大変ですね。そんなにいないんですが最近ちょこちょこっとそういうアーティストが出てきちゃったんでそれをまあどうしていくかっていうことですね。
Q.今度買う側としてアートを購入する上で最も大切にすべきことは何だと思いますか。
A.昨日もね、企業の人と話したんですけど社長さんがコレクションしたいんだけどっていう時に話したんですけど、やっぱしね、一番失敗じゃないことは好きなものを買うことなんですよ。自分の好きなものを買うことって簡単に言うけど、好きなものがどれかわかんないという現状なんですけど、だけど好きなものをいろんなものを見て、好きなものを見つけてそれを買うっていうことだけが失敗じゃないですね。
Q.なるほど。
A.それが値段が安くなろうが高くなろうが、人にけちつけられようが、自分が好きだったらそれはコレクションとしては成功なんですよ。それが一番いいと思います。それは確かな尺度だと思います。
Q.先ほどそのプライマリーセールって話があったんですけど、プライマリーセールでギャラリーから作品を買うということの意味はどういうことだと思いますか。
A.僕らは一番本当にアトリエから出てきた作品を売るじゃないですか。それはまあ個人の方とか美術館ってことあんまり始める時はないと思うんですけど、それを売るっていうことはやっぱりその社会的なお金っていうものと美術作品を交換するということをやるわけじゃないですか。そうすると今までスタジオとかアトリエの中にあった時はアーティストのものでそれをまあもうギャラリーがいいねいいねって言ってるだけなんですけど、それがお客さんがいて例えば50万円って値段で交換されるとその絵は50万円っていう社会的価値を持つわけですよ。そうすると絵っていうものだけではない違う要素が加わるんでそういった種をまくっていう感じですかね。その後セカンダリーとかで人気が出てくれば動いてくるわけでしょ。それがやっぱり全体としてアーティストの面を作ってるわけですね。線から面になってる感じがあるので、その第一歩なんですよ。
Q.そのプライマリーでアートをコレクションすることの楽しみはどんなところになりますか?
A.一番の楽しみはアーティストがいるってことでしょ。アーティストとその絵を作った人の目の前にいたりするわけじゃないですか。それはその人と話すこともできるしいろんなことを他の絵についてじゃなくてもいいですよ 、なんかいろんなことについて話すこともできたりするのと、あとは買った人たちの仲間がいたりするじゃないですか。そういった人たちと話せるというのは結構面白いんじゃないですかね。
Q.なるほど、確かに。最近ね、コロナであんまりレセプションがないですが、あるとね、アーティストが在廊してたりして話せるチャンスですもんね。
A.そうですよね。
Q.ちょっと大きなテーマですけど、アートとは小山さんの人生にとって何でしょうか。
A.アートとはっていうことを考えないようにしてるんですよ。だからアートとはっていうのを考えちゃうと難しくなっちゃうじゃない。 だけどアートっていうのは やっぱりそのみんないろんなアーティストでもアーティストも考えるかもしれないけど、コレクターの人もそうだし、美術館の人もそうだし、それぞれに時々面白い自分の見つけたアート作品があるわけだけど、それは作品であるべきだと思うんですけどそこがつながっていってアートっていう全体の社会のものになったと思うんで、それのつながりとか本当に作品があってそれをこう楽しんでいく世界っていうのが全体としてアートっていう世界を作っているんじゃないかなっていう気はします。作家も楽しんで絵を描くしコレクターも面白がって絵を見るし、もちろん 苦しいということもあるかもしれないですけど、それによって成り立ってる感じですかね。
Damien Hirst ダミアン・ハースト It's a Beautiful Day (66 X 49 cm)

A.最近はだけどその NFTとかよく言われるじゃないですか。よく僕も聞かれるんですよ。NFT はどうなんですかって聞かれるんですけど、 だから NFTも一つのフィールドなんだから、もしかしたら面白いのが出てくるかもしれないですよ。写真とかインスタレーションとかそういうので面白いのって初め、どうだこれはアートなのかっていう議論があったじゃないですか、多分。そんなことはもちろんそれで面白いのも出てくるわけですよ 。NFT とかメタバースの空間を使って面白いアプローチをしてくるアーティストってやっぱりいると思うんですよね 。だからその展覧会を使ってデュシャンがああいう便器を使ったような感じでとてつもないことをやるやつが出てくるかもしれないのでそれはまた乞うご期待なんじゃないですかね。
Q.革新的なね。
A.革新的なことができたら面白いですね。
Q.それは面白いですよね。最後になりますけども小山さんのこれからのギャラリーの計画とか展望みたいなものありますか。
A. 展望ってあんまりないんだよね。
Q.もう続けていくのみ?
A.目標はさっき言ったように、作品とか自分が好きなものを見せるっていうのもあるし、アーティストが見せたいものを見せるともあるけど、そういったものを確実にやってくっていうことの方が面白いかなって思っています。売り上げがいくらとかあんまり考えないタイプなんで、ちょっと良くないですね。そうだけど、そういったものを着実にいい展覧会とかをやってくっていうのは一番、僕にとっての望みですね。
Q 作家たちと一緒に作って。
A. そうですね、それができたらいいかなと思います。
Q. その世の中に正しく送り出すというか。
A. あとアーティストがやっぱりちょっとこうだんだん認められていくっていう状況っていうのはもっと増やしていきたい。それはね、やっぱり嬉しいものなんですよね。最近44歳で工藤まきこさんっていうのは個展を美術館でやったんですよ。そういう美術館でやるとやっぱりいろんな人たちが見てくれるんですね。全然彼女のことを知らない人が見てくれて色々言ったりしてくれたりするんでそういったものっていうのはもっともっとね、日本って美術館いっぱいあるじゃないですか。どんどんできたらいいかなっていうふうに思ってますね。それこそ友達のギャラリーの人たちとも話してて若いアーティストをどんどん美術館でやるっていうのは、流行ったら良いなと思ったりしてますね。
Q.日本は本当に美術館多いですね。
A. 美術館は全都道府県にあるでしょ。
Q.ありますよね 。
A. だからそれはもっとどんどん使ってた方がいいかなっていう気は、使ってった方がいいなっていうと怒られるかもしれないけど、あの色々なアーティストの個展とかをやってったらいいかなと思う。グループ展はテーマを決めてやるじゃない。アーティストってやっぱり個々だと思うんだよね。で個々があってもちろんグループでも時々やっていいけど個展っていうのを結構やっていくといいかなとは思いますね。
わかりました。 ありがとうございました。
Q.昨今のアートマーケットについて何か思いは?